【監査法人の魅力8つ】監査法人勤務のメリットは大きいです。

監査法人の魅力 - アイキャッチ(4-1)公認会計士

どうも、公認会計士として監査法人に勤めていたgordito(ゴルディート)です。

  • 監査法人の魅力を知りたい。
  • 監査法人で働くメリットはなんだろう?

このような疑問を解決できる記事になっています。

なぜなら、私は監査法人で働いていた経験があり、実際に肌で感じた監査法人の魅力を紹介するからです。

記事を読み終えると、監査法人勤務の魅力を理解できるようになります。

監査法人の魅力を紹介する前に・・・

監査法人の魅力は監査法人により差あり(4-2)

『監査法人』と言っても大小様々です。

公認会計士の数が1,000人を超えるような大手監査法人がある一方で、公認会計士の数が10人にも満たない中小監査法人もあります。

そのため、その全てを一括りに『監査法人の魅力』として紹介するには無理があります。

監査法人の規模によって差があるでしょう。

私は大手監査法人(四大監査法人)の1つに勤務していたので、その経験を基に記事を書いていることを最初にお伝えしておきます。

大手監査法人とは次の通りです(公認会計士・監査審査会のモニタリングレポート上の定義に従います)。

  • 有限責任監査法人トーマツ
  • EY新日本有限責任監査法人
  • 有限責任あずさ監査法人
  • PwCあらた有限責任監査法人

準大手や中小の監査法人からすると整合しない内容も含まれていると思います。

とは言っても、『公認会計士のメリット』で紹介した通り、公認会計士試験の合格者の約8割は大手監査法人のいずれかに就職します。

したがって、この記事の内容は多くの人に参考になると考えています。

大手監査法人の概要を知りたい方は次の記事がおすすめです。

【大手監査法人】4法人の概要をサラッと紹介します。
大手監査法人とは具体的にどの法人を指すのでしょうか。当記事では、大手監査法人の4法人を明確にした上で、各監査法人の規模(業務収入や人員数等)や口コミサイトによる会社評価等について紹介します。大手監査法人の理解を深めたい方におすすめの記事です。

また、そもそも監査法人がなんたるかわからないよ、という読者の方もいるでしょう。

監査法人や監査業務の大まかなイメージを掴むためには、ドラマや小説に触れるのが効率的です。

おすすめドラマを紹介しているので、公認会計士、監査法人や監査業務に興味のある方は次の記事をご覧になってください。

【公認会計士のドラマ】公認会計士を理解するには必見です。
公認会計士のドラマを紹介しています。『医者』や『弁護士』をテーマとしたドラマは多いですが、『公認会計士』を題材にしたドラマは希少です。『公認会計士』やその主な仕事内容である『監査』に興味のある方はぜひご覧ください。

監査法人の魅力8つ

監査法人の魅力8つ(4-3)

それでは監査法人の魅力を8つ紹介します。

年収が高い

公認会計士のメリットでも『公認会計士は年収が高い』と紹介しましたが、年収が高い理由は主に『監査法人の年収が高い』ことにあります。

ちょっとわかりにくいですね。

言いたいことは次の通りです。

監査法人の年収が高い

    ↓

監査法人に勤務する公認会計士が多い

    ↓

公認会計士の年収が高い

もちろん、監査法人以外に勤務して高給取りの公認会計士もいます。

それでは、監査法人の給料はどのぐらい良いのでしょうか。

大手監査法人の初任給について各法人のWebサイトで調べたところ、2019年定期採用の募集要項に記載されている内容は次の通りでした。

 初任給勤務時間
(労働時間)
トーマツ305,000円
※2021年実績
9:30~17:30
(7時間)
EY新日本320,000円
(首都圏)
※2021年実績
9:30~17:30
(7時間)
あずさ305,000円
(首都圏手当含む)
9:15-17:15
(7時間)
PwCあらた383,710円
(みなし残業含む)
フレックスタイム制(7時間)
コアタイム 10:45-15:45

各監査法人の情報は定期採用(2021年度公認会計士試験合格者)のWebページを参照しています。

あらたには『みなし時間外手当制度』があり、30時間の残業分が最初から含まれており、実質的には他の3法人と変わりません。

つまり、大手監査法人の初任給は約30万円です。

賞与は年間4ヶ月程度なので、年収は500万円程度になります。

一部上場企業の新卒の初任給と比較しても、良い水準であることがわかるでしょう。

就職して10年前後でマネージャーという職位までたどり着きますが、マネージャーになると年収は1,000万円前後になります。

30歳前後で1,000万円程度もらえれば年収は高いと言えますよね。

所定労働時間が短い

先ほどの大手監査法人の表に労働時間を記載しました。

確認して頂けるとわかる通り、大手監査法人の1日の労働時間は7時間です。

労働時間が7時間30分や8時間の中小監査法人もあります。

ちなみに、日本を代表するトヨタ自動車の労働時間は8時間です。

勤務地(本社、工場)、職種等で異なります。

ソフトバンクは7時間45分、メガバンクは7時間30分、総合商社は7時間15分のようです。

つまり、監査法人で月に20時間残業するのと、トヨタ自動車で残業なし(0時間残業)の場合の実質的な労働時間は160時間で同じなのです(月に20日勤務とした場合)。

監査法人は、日本を代表するような企業と比較しても労働時間が短いことがわかるでしょう。

時期によってバラツキはありますが、残業時間は長いと思います。

監査法人とトヨタやソフトバンクの初任給労働時間を比較した記事を用意しているので、興味のある方は次の記事をご覧ください。

【監査法人の初任給】Big4と一般企業を比較しました。
多くの公認会計士試験合格者が最初に就職する監査法人(Big4)の『初任給』を紹介しています。また、日本を代表する『トヨタ自動車』や『ソフトバンク』の初任給とBig4の1つである『トーマツ』の初任給を比較しています。

意外に社会人も新卒で就活している高校生・大学生も気にしていない人が多いですが、労働時間は会社選びで重要な要素になります。

『労働時間』と『時給』と『給料』にまつわる話しをまとめていますので、興味のある方は次の記事をご覧になってください。

【企業研究の項目】労働時間と時給は大切な項目です。就活生は必見。
企業研究で『労働時間』と『時給』は大切な項目です。アルバイト先を選ぶ際には『時給』を気にするのに、なぜ就職先を選ぶ際には『時給』を気にしないのでしょう。この記事では、就活や転職の際に軽視しがちな『労働時間』と『時給』を考察しています。

雰囲気が良い

私は新卒でTOPIX100に採用される大企業に就職しましたが、その会社と比較して監査法人の雰囲気は圧倒的に良いと感じました。

もちろん監査法人によって差はあります。雰囲気の悪い監査法人もあると聞いています。

新卒で就職した会社には、あちこちの部署に荒くれ者がいて、日常的に怒鳴り声を聞いていましたが、監査法人で怒鳴り声を聞くことはほぼありませんでした。

私の就職した監査法人には比較的穏やかな人が多かったです。

監査法人では上司と部下の距離が近く、意見の言いやすい環境が整っていたことも魅力的でしたね。

監査法人の雰囲気についてもう少し知りたい方は次の記事にも目を通してみてください。

監査法人は雰囲気がいいよ!
監査法人は一般の企業と比較して上下関係が緩く、意見の言いやすい環境があると言えます。この雰囲気の良さは監査法人に勤務する上でのメリットの1つになるでしょう。雰囲気が良い理由について知りたい方は記事に目を通してください。

人事評価制度が良い

監査法人では多角的な人事評価制度が出来上がっています。

1人の評価者に評価されるのではなく、複数の評価者から多角的に評価されることになるのです。

小さすぎる監査法人では不可能な人事評価制度なので、大規模な監査法人に限定されると思います。

監査法人の人事評価に関して詳しく知りたい方は、次の記事をご覧になってください。

監査法人の人事評価制度はけっこうイケてます!
監査法人に勤務するメリットの1つである『人事評価制度』を紹介します。複数の監査チームに所属するがゆえに、一般企業とは異なる『多角的な人事評価制度』が整備、運用されています。結果として、多様な人材の『適材適所』を可能にしています。

まとまった有給休暇が取りやすい

監査法人では繁忙期閑散期が比較的、はっきりと分かれています。

そのため、大手の監査法人ではまとまった有給休暇が取りやすいです。

私は2週間程度の休暇を取り、海外旅行に行ったことが複数回あります。

マネージャー以上の職位になると休みにくそうだったので、スタッフと一部シニアの人たち限定だと考えた方が良いかもしれません。

イメージとしては入所3-4年目までは有給休暇が取りやすいと思います。

会計士関連の費用を負担してくれる

大手監査法人に就職すれば、会計士関連の費用は基本的に全て監査法人に負担してもらえます。

実務補習所の費用や修了考査の予備校費用だけでなく、公認会計士登録費用やその後の年会費も全て負担してくれます。

公認会計士のデメリットで紹介した通り、会計士関連の費用は大きな額になります。

そのため、高額な費用を負担してくれるのは監査法人の魅力の1つと言えます。

なお、一般企業に就職した実務補習所の同期と話したところ、その同期の就職した企業では会計士関連の費用は一切負担してくれなかったようです。

特殊な事例ではなく、一般企業に勤めた場合はそれが普通です。

一般企業は、監査法人のように公認会計士集団ではないので、公認会計士特有の事情にはあまり配慮してもらえないと考えた方が良いでしょう。

私は、公認会計士試験の合格者は最初に監査法人に就職した方が良いと考えていますが、その理由の1つが『会計士関連の費用を負担してくれる』からです。

その他の理由について知りたい方は、次の記事をご覧ください。

【公認会計士】試験合格後の就職先は監査法人がおすすめです。
公認会計士試験合格者の最初の就職先として『監査法人』をおすすめする理由について紹介します。3年後の修了考査の試験科目に『監査実務』があること、『実務補習所』関連のサポートを享受できることなど、総合的に考えると監査法人一択なのです。

非常勤という働き方ができる

縮小傾向の監査法人もありますが、非常勤は未だに残っている働き方です。

監査法人では非常勤という言い方をしますが、アルバイトやパートと考えてください。

能力や任せられる仕事の内容にもよりますが、現在では時給4,000円〜6,000円が相場でしょう。

独立開業したばかりで自分の事務所がまだ軌道に乗っていない人や、子育てで常勤として復帰するのは難しい人などが非常勤として働いているイメージです。

年間100日ほど働けば年収350万円程度を確保できるので、週5日フルで働きたくない人が非常勤を選ぶことも可能です。

もちろん、景気が悪くなれば真っ先に削られるのは非常勤なので、リスクはあります。

近々、COVID-19(新型コロナ)の影響が出る可能性はあります。

また、非常勤にはある程度の経験が求められるので、監査未経験でいきなり非常勤として働くことは難しいです。

5年前後は監査法人に勤務し、インチャージを経験した方が望ましいでしょう。

外国人からの評価が高くなる

 Big4とか四大会計事務所という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

数字の4が示しているのは、次の4つのファーム(会社とか事務所と思ってください)です。

  • Deloitte Touche Tohmatsu(Deloitte)
  • Ernst & Young(EY)
  • PricewaterhouseCoopers(PwC)
  • KPMG

Big4は世界的規模のプロフェッショナル集団で、コンサルティング、監査、税務といったようなサービスを提供しています。

世界的規模と言いましたが、Big4はどれほどの規模なのでしょうか。

各々のWebサイトを確認したところ、Deloitteで約30万人、EYで約26万人、PwCで約28万人、KPMGで約21万人のプロフェッショナルが業務に従事し、約150カ国(ファームによって若干前後します)でサービスを提供しているようです。

Big4全体で従業員100万人以上にもなります。

海外にも日本のように就活生の人気企業ランキングがあって、多くの国々でBig4は上位にランキングされています。

概ねトップ20-30位以内にはBig4全てがランクインしていると考えてしまって大丈夫です。

アメリカでは誰もが知っているGAFA(Google、Amazon、FacebookとApple)と並ぶぐらい人気です。

Big4のことがなんとなくわかったと思いますが、ここからが重要です。

実は、日本の大手監査法人はBig4のメンバーファームとなっているのです。

Big4大手監査法人
Deloitte有限責任監査法人トーマツ
EYEY新日本有限責任監査法人
PwCPwCあらた有限責任監査法人
KPMG有限責任あずさ監査法人

何が言いたいかといいますと、これらの大手監査法人に就職した場合、世界的に有名なプロフェッショナル集団で働くことになるということです。

実際、名刺にも各ファームのロゴが記載されます。

私は監査法人を退職した後、バックバッカースタイルで世界を一周していました。

旅行中は多くの外国人と話す機会があり、たまにお互いの仕事の話しになったりします。

そんな時、Big4の1つで働いていたことを話すと『お前すげーな』となっちゃいました。

日本の名だたる企業(トヨタ自動車やソニーなど外国の人でも知っている大企業)よりもBig4勤務の方が外国人には優秀だと評価されちゃったりするのです。

実際の能力とは無関係ですが・・・

まとめ

監査法人の魅力 - まとめ(4-4)

最後に簡単にまとめます。

監査法人の魅力8つ
  • 年収が高い
  • 所定労働時間が短い
  • 雰囲気が良い
  • 人事評価制度が良い
  • まとまった有給休暇が取りやすい
  • 会計士関連の費用を負担してくれる
  • 非常勤という働き方ができる
  • 外国人からの評価が高くなる

いかがでしょうか。

監査法人勤務の魅力を理解できたのではないでしょうか。

もちろん監査法人も100点満点ではありませんよ。

マイナス面もたくさんあります。

監査法人勤務のつらいこと、嫌なことを知りたい方は次の記事に目を通してください。

【監査法人のつらいこと7つ】監査法人勤務のマイナス面を紹介!
『監査法人』を勤務先とするマイナス面はないのでしょうか。この記事では、私が勤務して実際に感じた監査法人の『つらいこと・嫌なこと』を7つ紹介しています。監査法人に就職や転職を考えている方は覗いてみてください。

個人的な意見ですが、公認会計士試験の合格者は最初に監査法人に就職した方が良いと思います。

その理由を知りたい方は次の記事をご覧になってください。

短めの記事です。

【公認会計士】試験合格後の就職先は監査法人がおすすめです。
公認会計士試験合格者の最初の就職先として『監査法人』をおすすめする理由について紹介します。3年後の修了考査の試験科目に『監査実務』があること、『実務補習所』関連のサポートを享受できることなど、総合的に考えると監査法人一択なのです。

大手監査法人(四大監査法人)の簡単な概要を知りたい方には次の記事がおすすめです。

【大手監査法人】4法人の概要をサラッと紹介します。
大手監査法人とは具体的にどの法人を指すのでしょうか。当記事では、大手監査法人の4法人を明確にした上で、各監査法人の規模(業務収入や人員数等)や口コミサイトによる会社評価等について紹介します。大手監査法人の理解を深めたい方におすすめの記事です。

監査法人や監査業務に興味があるけど、おすすめドラマや小説を紹介した次の記事をご覧ください。

【公認会計士のドラマ】公認会計士を理解するには必見です。
公認会計士のドラマを紹介しています。『医者』や『弁護士』をテーマとしたドラマは多いですが、『公認会計士』を題材にしたドラマは希少です。『公認会計士』やその主な仕事内容である『監査』に興味のある方はぜひご覧ください。