【監査法人の初任給】Big4と一般企業を比較しました。

監査法人の初任給 - アイキャッチ(25-1)公認会計士

どうも、監査法人に勤務していたgordito(ゴルディート)です。

  • 監査法人の初任給は低いの?
  • 『監査法人(Big4)』と『一般企業』の初任給はどのぐらい違うんだろう。

このような疑問を解決できる記事になっています。

なぜなら、『監査法人』と『一般企業』の初任給を比較して紹介するからです。

具体的には、公認会計士試験合格者の大半が就職する『監査法人』の初任給と日本を代表する『トヨタ自動車』や『ソフトバンク』の初任給を比較しています。

記事を読み終えると、監査法人の初任給の良さが理解できるようになります。

監査法人(Big4)の初任給

Big4初任給比較(25-2)

Big4とか4大監査法人と呼ばれている大手の監査法人の初任給について各法人のWebサイトで調べたところ、2019年定期採用の募集要項に記載されている内容は次の通りでした。

トーマツ新日本あずさあらた
初任給305,000円
(2018年実績)
給与規程による305,000円
(首都圏手当含む)
367,700円
(みなし残業含む)
勤務時間9:30~17:30
(7時間)
9:30~17:30
(7時間)
9:15-17:15
(7時間)
9:15-17:15
(7時間)

『新日本』の初任給は給与規程によるとのことですが、『トーマツ』や『あずさ』とほぼ横並びだと思いますので、30万円程度と考えて良いでしょう。

また、『あらた』が最も初任給が良いように見えますが、『あらた』には、みなし時間外手当制度(みなし残業制度と言う場合もあり)なるものがあり、30時間の残業分が最初から含まれています。

そのため、30時間の残業分を除くと他の3法人とほぼ変わりません。

つまり、Big4の初任給約30万円になります。

ボーナス(賞与)は、法人によって異なりますが(人事考課によっても異なる)、4ヶ月分程度と考えて良いでしょう。

つまり、年収は約500万円(約30万円 × 16ヶ月)です。

Big4以外にも監査法人は多くありますが、定期採用をしている監査法人であれば初任給はさほど変わりません。

『監査法人』と『一般企業』の初任給比較

監査法人の初任給とトヨタ、ソフトバンクの初任給比較(25-3)

それでは、監査法人の初任給30万円はどの程度の水準なのでしょうか。

2019年12月4日に厚生労働省が発表した調査内容では、2019年の新入社員(大卒)の初任給は平均で21万200円とのことです。

そうであれば、監査法人の初任給は世間一般の約1.5倍になるので、比較的良い水準となります。

ちなみに、監査法人では『中卒』でも『高卒』でも給与水準に差はありません。

日本を代表する『トヨタ自動車』や『ソフトバンク』と比較した場合、監査法人の初任給は高いのでしょうか。

次の通り、『監査法人(トーマツ)』と『トヨタ自動車』、『ソフトバンク』の初任給を比較してみました(初任給と勤務時間は各社の新卒採用のWebサイトで確認)。

 トーマツトヨタ自動車ソフトバンク 
初任給305,000円
(2018年実績)
208,000円
(2018年4月実績)
243,000円A
勤務時間9:30~17:30
7時間
配属先により異なる
8時間
9:00-17:45
7時間45分
B
労働時間(月)
※20日間/月と仮定
140時間160時間155時間C = B × 20
時給2,179 円1,300 円1,568 円D = A / C
時間外労働の時給
※時給×1.25と仮定
2,723 円1,625 円1,960 円D × 1.25

監査法人の初任給は、日本の有名企業と比較すると、ちょっと良いのかなという感じですね。

ただ、監査法人の勤務時間(労働時間)は1日7時間とかなり短い方です。

そのため、労働時間を考慮すると監査法人の初任給は思っている以上に高水準です。

仮に1ヶ月の勤務日数が20日間だとした場合、トヨタ自動車の1ヶ月間の労働時間は160時間(8時間×20日)になります。

一方、監査法人の労働時間は140時間(7時間×20日)です。

ここで、労働時間を160時間で揃えるために、監査法人に勤務する人が20時間残業をしたとします。

そうすると、監査法人の初任給は359,460円(基本給305,000円+残業代(2,723円×20時間))となり、トヨタ自動車の初任給208,000円の1.7倍以上となります。

同様の考え方で、監査法人の労働時間をソフトバンクの労働時間155時間に揃えた場合には、監査法人の初任給は345,845円(基本給305,000円+残業代(2,723円×15時間))となり、ソフトバンクの初任給243,000円の1.4倍以上となります。

同じ労働時間でここまで差がつくのであれば、監査法人の初任給は良いと言えますよね。

このように『勤務時間(労働時間)』はものすごく重要な要素です。

『勤務時間(労働時間)』は、残業代(時間外手当)や休日出勤手当の基礎となる時給の計算にも影響を与えます。

上の表で、トーマツとトヨタ自動車の初任給を比較した場合、トーマツの初任給はトヨタ自動車の約1.5倍ですが、時間外労働の時給は約1.7倍となっています。

トーマツとソフトバンクを比較した場合、初任給は約1.3倍ですが、時間外労働の時給は約1.4倍です。

つまり、残業すればするほど、差が開くことになります。

勤務時間(労働時間)と時給に関する内容をまとめた記事がありますので、興味のある方は目を通してみてください。

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ただし、留意点があります。

基本給や時間外手当等に焦点を絞った場合には監査法人の初任給の水準は素晴らしいですが、実は弱点もあります。

監査法人は賞与(ボーナス)が少ないのです。年間で約4ヶ月分になります。

企業によっては、新入社員でさえ冬の賞与(ボーナス)1回で100万円(5ヶ月分とか)を超える場合があります。

これでは、いくら監査法人の初任給(月給)が良いと言っても、賞与(ボーナス)で一気に追いつかれ、追い越されてしまいます。

この点を考慮すると、監査法人の初任給は比較的良い水準ではあるものの、年収で考えたら、ものすごく良いとは言えなそうですね。

まとめ

監査法人の初任給 - アイキャッチ(25-4)

最後に簡単にまとめておきます。

まとめ
  • 監査法人の初任給は比較的高い水準と言える。
  • 勤務時間(労働時間)が短いため、残業代等の単価が高めである。
  • 賞与(ボーナス)等を含めた『年収』でもそこそこの水準となる。

監査法人の初任給は良いことが理解できたのではないでしょうか。

楽しんで頂けたのなら幸いです。