【中小監査法人】規模の大きい3法人だけ紹介します。

中小監査法人 - アイキャッチ(67-1)公認会計士

どうも、公認会計士として監査法人に勤務していたgordito(ゴルディート)です。

  • 中小監査法人とは具体的にどの監査法人を指すの?
  • 各中小監査法人の概要を知りたい。

このような疑問や悩みを少しでも解決できる記事になっています。

なぜなら、監査法人に勤務経験のある私が各中小監査法人について紹介するからです。

具体的には、各中小監査法人の規模(売上高や人員数等)や監査クライアント等について紹介します。

記事を読み終えると、中小監査法人についての理解が深まります。

中小監査法人は200法人ほどあるので、当記事では年間の売上高が1,000百万円を超える3法人だけ紹介します。

中小監査法人の定義

中小監査法人の定義(67-2)

最初に、公認会計士・監査審査会が年次で公表しているモニタリングレポートに従う形で、中小監査法人を定義します。

公認会計士・監査審査会のモニタリングレポート上の中小監査法人は次の通りです。

大手監査法人及び準大手監査法人以外の監査法人

公認会計士・監査審査会

大手監査法人と準大手監査法人の定義がわからないと理解しようがありませんね。

そのため、大手監査法人準大手監査法人の定義も紹介します。

大手監査法人は次の通りです。

上場国内会社を概ね 100 社以上被監査会社として有し、かつ常勤の監査実施者が 1,000 人以上いる監査法人

公認会計士・監査審査会

準大手監査法人は次の通りです。

大手監査法人に準ずる規模の監査法人

公認会計士・監査審査会

モニタリングレポート上は、大手監査法人4法人、準大手監査法人5法人以外の監査法人はすべて中小監査法人にしており、当記事でもそれに従います。

数ある中小監査法人の中でも売上高の大きい監査法人は次の通りです。

  • アーク有限責任監査法人(Kreston International)
  • ひびき監査法人(PKF International)
  • 監査法人A&Aパートナーズ(Plante & Moran、Morison KSI)

大手監査法人、準大手監査法人と同様、中小監査法人もグローバルネットワークのメンバーになっており、カッコ内が提携しているネットワークになります。

中小監査法人の場合、監査メソドロジーの強制的な押し付け等はなく、緩やかな提携である場合が多いです。

中小監査法人の紹介

中小監査法人の紹介(67-3)

ここから各々の監査法人の概要を簡単に紹介します。

中小監査法人は200法人程度ありますが、年間の売上高が1,000百万円を超える3法人だけ紹介します。

他の中小監査法人も確認したい場合には、次の監査法人一覧に関する記事をご覧ください。

【監査法人一覧】110法人を売上高順に列挙します。
監査法人と言えば、大手監査法人しか知らない人がほとんどでしょう。しかし、上場会社を監査している監査法人は100を超えます。上場会社を監査している監査法人の売上高、被監査会社の数、社員数等をまとめたので、ぜひご覧になってください。

アーク有限責任監査法人

最初に紹介するのは、アーク有限責任監査法人(以下、アーク)です。

売上高1,435百万円
(2019年7月〜2020年6月)
人員数(※)145名
(2020年9月1日現在)
被監査会社81社
(2020年6月末日現在)

※非常勤を含めた人員数。非常勤は22名。

近年、合併に合併を繰り返し、最も元気の良い中小監査法人と言えるでしょう。

2016年1月4日、2016年7月1日、そして2020年7月1日に合併をしています。

世界第10〜15位の規模を誇るKreston Internationalのメンバーファームとなっています。

監査クライアント

大日本印刷、北海道コカ・コーラボトリング、独立行政法人国立青年教育振興機構等をクライアントとしています。

法人の評価

大手監査法人、準大手監査法人の記事では、4つの口コミサイトの評価を掲載しましたが、中小監査法人になると口コミ自体が全くと言っていいほどありません。

そのため、残念ながら転職活動の際に口コミサイトの評価を参考にすることはできません。

法人の評判が気になる方は内部の人間を紹介してもらうか、転職エージェントの担当者に聞くと良いでしょう。

ひびき監査法人

次に紹介するのはひびき監査法人(以下、ひびき)です。

売上高1,427百万円
(2019年7月〜2020年6月)
人員数(※)208名
被監査会社135社
(2020年6月末日現在)

※どの時点の人員数かは明示されていません。また、非常勤を含めた人員数だと考えられます。

所在地が大阪にあり、大阪に強みを持っている監査法人です。

大手監査法人、準大手監査法人に混じって、中小監査法人として唯一、新型コロナ関連の声明文に名を連ねています。

世界第10〜15位の規模を誇るPKF Internationalのメンバーファームとなっています。

監査クライアント

馴染みのあるところと言えば、鮮魚の小売等を行なっている魚力、フィットネスクラブのカーブスをクライアントとしています。

また、きんでん、二プロ、大阪外環状鉄道等、大阪のクライアントに強みを持っています。

監査法人A&Aパートナーズ

最後に紹介するのは、監査法人A&Aパートナーズ(以下、A&A)です。

売上高1,187百万円
(2019年8月〜2020年7月)
人員数(※)60名
(2020年9月1日現在)
被監査会社121社
(2020年7月末日現在)

参考:A&A Webサイト 及び 説明書類

※非常勤を除いた人員数。

Plante & Moran 及び Morison KSIのメンバーファームとなっています。

監査クライアント

(個人的に)馴染みのあるヤオコー、タマホーム、ヨドバシカメラ等をクライアントとしています。

ヨドバシは上場していません。

中小監査法人比較

中小監査法人比較(67-4)

売上等比較

アークひびきA&A
売上高
(百万円)
1,4351,4271,187
人員数
(名)
14520860
被監査会社数
(社)
81135121
  • 売上高:アーク、ひびきは2019年7月〜2020年6月の実績。A&Aは2019年8月〜2020年7月の実績。
  • 人員数:2020年9月1日現在。ひびきのみどの時点の人員数か不明。
  • 被監査会社数:アーク、ひびきは2020年6月末日現在。A&Aは2020年7月末日現在。

アークのプレゼンスが増しています。

2020年7月1日にも合併を果たしたので、今期の売上高は更に伸びるでしょう。

中小監査法人には経営基盤強化や業務エリアの拡大等を目的に合併を望む監査法人がそれなりにあります。

そのため、今後も合併を繰り返すことでしょう。

可能性は低いと思いますが、仮に今回紹介した3法人が合併すれば、準大手監査法人に仲間入りできる規模になりますね。

まとめ

中小監査法人 - アイキャッチ(67-5)

簡単にまとめます。

まとめ
  • 中小監査法人といえば200法人以上あるが、売上高が1,000百万円を超えているのはアークひびきA&Aの3法人。
  • 経営基盤強化、業務エリア拡大等を目的とした中小監査法人の合併は今後も見込まれる。
  • 口コミ数が圧倒的に少なく(口コミゼロが多数)、転職活動の際に便利な口コミサイトの利用は困難。

いかがでしょうか。

中小監査法人に対する理解が深まったのではないでしょうか。

今回は3法人しか中小監査法人を紹介していません。

その他の中小監査法人に興味のある方には監査法人一覧の記事をご参照ください。

【監査法人一覧】110法人を売上高順に列挙します。
監査法人と言えば、大手監査法人しか知らない人がほとんどでしょう。しかし、上場会社を監査している監査法人は100を超えます。上場会社を監査している監査法人の売上高、被監査会社の数、社員数等をまとめたので、ぜひご覧になってください。

準大手監査法人5法人に興味のある方は次の記事をご覧ください。

【準大手監査法人】5法人の存在感は年々増しています。
準大手監査法人とはどの法人でしょうか。準大手監査法人の5法人を明確にした上で、各準大手監査法人の規模(業務収入や人員数等)、監査クライアント、口コミサイトによる会社評価等を紹介します。大手だけでなく準大手に興味のある方は覗いてみてください。

大手監査法人4法人に関する記事はこちらです。

【大手監査法人】4法人の概要をサラッと紹介します。
大手監査法人とは具体的にどの法人を指すのでしょうか。当記事では、大手監査法人の4法人を明確にした上で、各監査法人の規模(業務収入や人員数等)や口コミサイトによる会社評価等について紹介します。大手監査法人の理解を深めたい方におすすめの記事です。